「レーティング」と「ペアレンタルコントロール」
ご自宅で巣篭もりする時間も増えている昨今、お子さんがゲーム(TVゲームやスマホゲーム)で遊ぶ機会も増えているのではないでしょうか。お子さんとゲームの関わり方について、ゲームを売る側や作る側からいくつかの仕組みが用意されていますので、それらの一部をご紹介したいと思います。 それらをうまく活用していただいて、保護者の方とお子さんどちらも納得できるようなおつきあいの形をぜひ見つけていただきたいと思います。今回の記事はゲームを積極的に勧めるものでもなく、また否定するものでもない旨、ご承知ください。
「レーティング」について
ゲームには映画などと同じようにゲーム毎の「推奨年齢の設定」がなされています。「iPhoneやiPad向けのゲーム市場を展開するApple」と「Androidスマホ、タブレット向けのゲーム市場を展開するGoogle」はそれぞれ独自基準の審査によって独自のレーティングが設定されています。どちらもアプリがストアに公開される前に審査があり、ガイドラインに反する場合は不採用になります。
・Google(Google Play でのアプリとゲームのコンテンツのレーティング)https://support.google.com/googleplay/answer/6209544?hl=ja
・Apple(不適切な表現を用いたコンテンツや特定のレートのコンテンツを阻止する)https://support.apple.com/ja-jp/HT201304#explicit-content
一方の家庭用ゲーム市場「Playstation(Sony)」「Switch(任天堂)」ではCEROという非営利団体が審査を行っています。 特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構https://www.cero.gr.jp/
こちらもかなり厳密に審査が行われていまして、レーティングがつかないゲーム作品は一般の流通に載せてもらえません。お子さんが遊ぶゲームを選ぶ際には目安としてこのレーティングを確認いただきたいと思います。
*まさにこの文章を書いている最中にNintendo Switchのオンラインストアで海外のレーティング機構が審査したタイトルが販売されるようになる、というニュースがありました。今後CERO以外のレーティング機構のマークを見かける機会が増えるかもしれませんが大きな違いは発生しないと思われます。
実際には
とはいえ、これらのレーティングには法的拘束力はありません(一部の自治体ではCEROのZ区分のゲームを一括して「有害図書類」に指定しているケースもありますが、この場合も何らかの義務が発生するのは流通、販売事業者となります)。お子さんの年齢を超えたレーティングのゲームを遊ばせたとしても何らかの罪に問われることはありません。例えばなのですが、「どう考えても小学生向けのゲームなのにレーティングが12歳以上」というゲーム作品も存在するのです(個人的には未就学児から11歳までを一つのレーティングで扱うことにも無理があるような気もしています…)。
マリオ作品では異例の「B」
スマホ版は「3歳以上」3DS版は「全年齢」なのになぜかSwitch版だけ「12歳以上」
私見ですが個人的にCEROレーティングでB区分(12歳以上)までは小学生に遊ばせても大きな問題にはならないと感じてまして、実際に我が家では上記のゲームは遊ばせています。(一方で自分が「D区分」や「Z区分」のゲームを遊ぶ場合は子供が寝静まった後などにしか遊ばないようにしています。)
スマートフォン、タブレットのペアレンタルコントロール
各社それぞれがペアレンタルコントロール、という仕組みを用意しています。スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの使用を保護者がコントロールできるという機能です。
Googleファミリー https://families.google.com/families?hl=ja
Googleファミリーリンク https://families.google.com/familylink/
「ファミリーグループ」というグループを作成してその中にお子さんのアカウントを作成します。そうすると「Googleファミリーリンク」というアプリからアプリの利用制限や時間制限を設定することができます。
Apple ファミリー共有 https://support.apple.com/ja-jp/HT201088
スクリーンタイム https://support.apple.com/ja-jp/HT208982
こちらも同じような仕組みです。「ファミリー共有」でお子さんを含んだグループを作成すれば、iPhone、iPadの「スクリーンタイム」という機能から利用制限や時間制限を設定することができます。どちらも「アプリのインストール」「購入の承認」を設定しておけば、お子さんが勝手にゲームをインストールしたり課金したりすることができなくなります。承認する場合は、保護者の方のスマートフォンやタブレットで操作が必要になります。また前述のレーティングを基準に利用できるアプリを設定することもできます。一時的に保護者のスマートフォンをお子さんに貸してゲームをさせる場合もあるかと思います。そういったシチュエーションが多い方は、保護者ご自身のスマートフォンに「購入制限」「インストール制限」を設定しておくことをお勧めいたします。
家庭用ゲームのペアレンタルコントロール
Nintendo Switch みまもり設定https://www.nintendo.co.jp/support/switch/parentalcontrols/index.html
Sony PlayStation 利用制限 https://www.jp.playstation.com/safety/parent/setting_ps4.html
こちらもそれぞれ機能が用意されています。どちらもまずはお子さんのアカウントを用意する必要があります(お子さん専用のメールアドレスが必要になります。GoogleかAppleでアカウントを作ればメールアドレスが発行されますので先にそちらを設定するのもよいかもしれません)。スマートフォンなどと同じくレーティングを基準にした利用制限や時間制限を設定することができます。 現状一台のNintendo Switchを兄弟で共有して遊んでいるようなケースですと、それぞれに制限を掛けることができない(一人1台づつSwitchを持っていることが前提の設計になっている)辺りが不満ではあるのですが…。
どうやって運用しましょう?
実際にはここが一番のポイントになると思います。一方的にある日突然、機能制限をかけられてしまうようなことがあれば、お子さんとの信頼関係に問題が起こるやもしれません。また新たにお子さん用のアカウントを作成し直してしまうと今まで遊んできたゲームが「最初からやり直し」になってしまうことも考えられます。 ぜひ、これらの機能を導入される前には、お子さんと話し合って一定の約束の上で導入されることを切にお願いいたします。