津島市小6全員が挑戦 ご当地検定
平成27年度 『津島の達人ジュニア検定』
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『朝日新聞 愛知県版の記事を引用』 |
全国的には盛り上がりが一段落した感がある「ご当地検定(*)」だが、津島市では小学生の歴史教材として根付いている。公式テキストを使い、市内の小学校で出前授業をする市立南小学校長の浅井厚視さん(57)は「足元に歴史があることを知り、郷土愛を育んでほしい」と話す。 「これは津島の近く、あま市の畑から出てきたよ。何時代の土器だと思う?」
1月下旬、市立高台寺小の教室で、浅井さんが6年生に問いかけた。答えは弥生時代の土器。実物を順番に回して手ざわりを確かめさせた後、「東海地方の弥生土器は貝殻の模様があるのが特徴だよ」と教えた。
織田信長と津島の関わりについては「信長のおかげで津島の町は繁栄した。信長の死を、人々は天王祭で飾りを取った船を出して悲しんだ」と説明。授業後、飛田(ひだ)智恵美さん(12)は「昔の武士が津島にどう関係しているかを知っておもしろかった」と話した。
津島市では2010年度から毎年、全小学6年生が検定を受けている。公式テキスト「尾張津島見聞録 ジュニア版」を作った中心の1人が浅井さんだ。埋蔵文化財の発掘調査や社会科教師の経験を生かし、自ら市内の小学校に出向き受検対策をする。
ご当地検定は約10年前に全国各地に広がり、津島市でも08年度、大人版が始まった。問題を簡単にしてクイズ形式にしたところ、子どもたちは大喜び。浅井さんは「毎年対象が変わる小学生なら、受検者が減る心配もない」と、教材を作って郷土史の学習に役立てることにした。
テキストは126ページ。時代ごとに人々の暮らしや歴史上の人物との関わりを解説。地元が誇る「津島神社と祭り」の項目もある。今年度の検定は1月下旬、市内8校で実施し、640人が挑戦した。希望者は2月14日、地元ケーブルテレビのクイズ番組「津島の達人 ジュニア選手権」に出場する。
浅井さんは「身近な歴史に興味を持ち、好きになってほしい。時代の流れをイメージできるようになればうれしい」と期待する。(小若記者の記事を引用しました)
(*)【ご当地検定】 各地から受検申し込みが相次いだ「京都・観光文化検定試験」(2004年開始)がブームの火付け役とされる。浅井さんによると、津島市のように学校教育での実践は数少ない。バイオニア的存在。