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平成26年度の記事

『素晴らしい卒業式 南風学舎に南風吹いて』  ー校長室からー 
 
20日(金)、第68回卒業式を体育館で開催しました。津島市教育委員会委員長職務代理者猪飼様をはじめ30人を超える来賓の方に立ち会っていただき、101名の卒業生は巣立っていきました。感動的な引き締まった卒業式となりました。送り出しでは先生たちとの別れのためか涙する子どもたちがいました。別れがあるから新たな出逢いを大切にする人生を送ってほしいと思いました。5つの木(やる気・元気・本気・勇気・根気)に会いに来てくださいね。
 

【校長式辞】
 春
のひざしが温かくなってきました。甘く美しい紅白の梅の花に加え、桜の便りが届くようになりました。春。今年も別れと出会いの季節がまためぐってきました
 百一名のみなさん、ご卒業おめでとうございます。先ほど皆さんに卒業証書をお渡ししました。「元気、やる気、勇気、根気、本気」の五本の大きな楠のもとで生活した六年間が終わろうとしています。様々な活動にいつも懸命に取り組み、この一年間、最高学年として、南小学校を引っ張ってくれたみなさんに卒業証書を渡すことができ、心から嬉しくそして感謝しています。

 

 本日は、お忙しい中、津島市教育委員会委員長職務代理者猪飼充利様をはじめ、多数のご来賓のみなさまに参列していただき、みなさんの素晴らしい旅立ちに立ち会っていただくことができました。この六年間皆さんをそれぞれの立場で応援していただきました。感謝の気持ちを込めて、お礼申し上げます。
 「ありがとうございました」
 
 

 保護者の皆様、お子様のご卒業、本日は、まことにおめでとうございます。六年前、大きな期待と不安をもって手を引かれたお子様が立派に成長された姿に感慨もひとしおだとお察しいたします。この六年間の南小学校の教育に対するご理解ご協力に深く感謝申し上げます。
 
 今日はこの式辞で校長先生の最後のお話をします。
 夢は言葉にすることでかなえられるということ。夢は話したり、書いたりする必要があるということです。言霊。言葉にすることで魂が宿るということです。
 
 

 今日のお話は石黒由美子さんという人のお話をします。この方です。彼女は北京オリンピックのシンクロナイズドスイミングの日本団体チームの選手としてオリンピックに出場しました。
 しかし、彼女の人生は水泳の選手として恵まれた人生ではありませんでした。彼女は小学校二年生の時、交通事故にあいました。生きていたことが不思議なほどの大事故、大怪我でした。そのため顔面を五百六十針、口の中を二百四十針も縫うことになりました。思うように体も顔も動かない。そんな時に見たオリンピックのテレビ。それがシンクロナイズドスイミングでした。「このスポーツを私もやりたい」彼女は決心します。そして自分が夢見たことをノートに書くようになりました。「算数の宿題を忘れない」「水泳で50メートルを38秒で泳ぐ」などから「お友達のAちゃんの良いところ見つける」など一杯夢や目標を書きました。いつしかそのノートを「夢ノート」と呼ぶようになりました。彼女は夢や目標ができるとそれをノートに書き、できるようになると「ありがとうございました」と赤ペンで消していったそうです。夢や目標を文字や言葉で明らかにすることで彼女は一つ一つ夢を実現したそうです。
 そして「シンクロでオリンピックに出たい」という目標まで彼女は達成したのです。現在、彼女は大学院で「中学生のいじめ問題」の研究をしています。私はこのいじめ問題のアンケートに協力して、彼女と知り合うことができました。三月十日、彼女から電話を頂きました。今日の卒業式に「奇跡の夢ノートの話をしたい」と言ったら恥ずかしそうにでも喜んで賛成してくれました。
 「南小の六年生の皆さん、夢を言葉にしてください。そして夢に向かってがむしゃらに突き進んで下さい。どうか皆さんの夢ノートが皆さんの言葉で一杯となり、「ありがとうございました」と赤ペンで消す姿を心から楽しみにしています。ご卒業おめでとう。近いうちに私も津島南小を訪ね、学校行事に参加したいと思います」という言葉を頂きました。
 皆さん、夢を大切に。そして夢を言葉に置き換えて。どうか言葉に魂を吹き込んで下さいね。


 平成二十七年三月二十日。この南小学校の体育館に数百人もの人がいます。みなさんを含め、五年生の人たち、保護者・来賓の皆さん、南小学校の先生方、みなさんの卒業を祝うために、集まってくださいました。でも、これから、全く同じ人が一か所に集まることは、二度とありません。一期一会。どうか出会いを大切にした人生を送ってください。
  南小学校は、学校ができてから今年で百四十三年の歴史があり、一万人を超える卒業生をもつ伝統ある小学校です。皆さんは今日、この南小学校の卒業生の一員となりました。南小は暖かな南風の吹く学び舎。南風学舎は「心のふるさと」。南小学校の楠や銀杏の木は、これまでたくさんの卒業生を見送ってきました。一年後、五年後、十年後、大きくかわり、成長したみなさんを五本の楠や銀杏の木に見せに来てください。
 

  翔び立て南っ子
  会うは別れの始め
  人は別れがあるから
  新たな出逢いを大切にしたい
  よき出逢いを
  よき夢を
  夢が止まらない人生を

皆さんのこれからの健闘を心より応援しています。
                     平成二十七年三月二十日   津島市立南小学校長   浅井 厚視